【華氏451度】 レイ ブラッドベリ 新訳 感想 2

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挿絵が良い。

 

面白かったところ。

 

エピグラフ

 

‘ もし連中がルールド・ペーパーをよこしたら、逆向きに書きなさい’

                                ファン・ラモス・ヒメネス 

 

〔ルールドペーパーとは、ふつう罫紙のことだが、ルール(規則)つきの紙とも解せる。その場合この文は「もし連中がルールを押しつけてきたら、反逆しなさい」の意味になる。

 

★始まりの文章

 

火を燃やすのは愉しかった。

 

この一行からの始まりに ぐっと引き込まれる。

 

あとがきから

 

今ではアメリカの国民文学に準じる地位まで押し上げられている。

 

トリュフォー火星年代記を映画化しようとブラッドベリに連絡すると 答えはノー 代わりに 華氏451を推薦された 理由は ブラッドベリ火星年代記の脚本を自分で書いていたため

 

 

個人的感想。

先にトリュフォーの映画を見た。 とても気に入り 原作を読んだ。

 

  全てが急速に発展し何もかもが便利になっていく世の中で、失いつつある大切なものを 大事にしなくてはならない、という事がとてもシンプルに書かれていると思う。

 

まさに自分達の生きる時代のテーマでもあるような話であり、普遍的なものに感じる。

 

ジョーオーウェル1984年も似たような題材であるが、個人的には華氏451にとても惹かれるものがある。決められた日常から抜け出そうと懸命にもがくモンターグに深く共感し物語に強く引き込まれる。

 

本が焼かれる時代に森に隠れて暮らし、本を丸ごと頭に入れて未来に残そうなんて、 本好きにはとても魅力的なテーマである。

 

自分達の生きる現代も紙の本、 レコード、 カセットテープ、ビデオテープなど 古いアナログなツールはことごとくデジタル化されていき、 自分のように古い映画、本 、音楽 が好きな人間には、情報を集めにくくなるが、世界にはたくさんの  “渡り労働者のキャンプ” があちこちにあり、これからなくなっていくような愛すべき物たちを後世に残していこうとしている人々がたくさんいると思うと。

とても勇気づけられる 自分もそういう側の人間でいたいと強く思う。

 

 

 

 

 

 

【華氏451度】 レイ ブラッドベリ 新訳 ネタバレ あらすじ

 

100点/100点     274ページ

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あらすじ

 

舞台は、情報が全てテレビラジオによる画像や音声などの感覚的なものばかりの社会。そこでは本の所持が禁止されており、発見された場合はただちに「ファイアマン」(fireman ― 本来は『消防士』の意味)と呼ばれる機関が出動して焼却し、所有者は逮捕されることになっていた。

(表向きの)理由は、本によって有害な情報が善良な市民にもたらされ、社会の秩序と安寧が損なわれることを防ぐためだとされていた。密告が奨励され、市民が相互監視する社会が形成され、表面上は穏やかな社会が築かれていた。だがその結果、人々は思考力と記憶力を失い、わずか数年前のできごとさえ曖昧な形でしか覚えることができない愚民になっていた。

そのファイアマンの一人であるガイ・モンターグ(Guy Montag)は、当初は模範的な隊員だったが、ある日クラリスという女性と知り合い、彼女との交友を通じて、それまでの自分の所業に疑問を感じ始めた。ガイは仕事の現場で拾った数々の本を読み始め、社会への疑問が高まっていく。そして、ガイは追われる身となっていく。

 

第1部

モンターグは、ファイアマンの仕事に誇りを持っている。ある日仕事帰りに、クラリスという不思議な少女に会い「あなた幸福?」と聞かれファイアマンの仕事は昔は火を消すのが仕事だったと教えられ、その後いろいろと話す。彼女のことが気になりだす。

家に帰ると、妻が睡眠薬の過剰摂取で倒れている。すぐに救急を呼び治療をしてもらう30分程度で簡単に終わり 最近は同じような事件が頻繁にある、と救急の人は言う。

朝起きて出かけると、クラリスが外にいて、モンターグがファイアマンをやっている理由がわからないという。

仕事場に行くと、機械猟犬に唸られる、モンターグは猟犬に嫌われているというが、猟犬はデータで動くので、感情で嫌うことはないと同僚に言われる。

モンターグは自宅を出ると、毎日のようにクラリスがそこにいた。

クラリスは学校に行っていない、他の子供達と違うから、今のような社会になる前の事を、叔父が色々と教えてくれるらしい。

しばらくするとクラリスを見かけなくなる。

仕事で老女の家に捜索に入る、本を燃やす作業に入ると老女は外に出て来ようとしないので、モンターグが助け出そうとするが、自らマッチをすり、火をつけ自殺する。

家に帰る。モンターグは本を持ち帰り枕の下に隠した。

ミルドレッド(妻)に自分たちの出会いを聞くが二人とも思い出せない。ミルドレッドと自分の間には壁があり、死んでも泣かないだろうと思う。

翌朝、モンターグは具合が悪く会社に行かないという、昨夜の老女の事件が忘れられないのだ、仕事に行かずにいると、隊長のベイティーが家に来る。ベイティーは昔の事もよく知っておりモンターグに説明する。人間を皆平等にする為に、本は排除され、家は防火建築に変わり、ファイアマンの仕事は始まった 。ベイティークラリスの事を話すと、ベイティーは知っていた。反社会的な家族なのでマークしていたらしい。ベイティーも試しに本を読んだ事があるが、何の為にもならなかったという。モンターグに、明日から出勤するようにうながして帰る。

モンターグは、隠してあった20冊余りの本を妻に見せる。 読みたいので協力してくれというが反対される。

 

第2部

この国は2度核戦争をして勝利している。自国は裕福だが、他国は貧しいらしいのだが、何の情報も入ってこない。本を読めば何かわかるのではないかと思う。

昔、公園で会った不思議な老人の事を思い出し、その時住所をもらっておいたので会いに行く。老人は耳の中に入れておけば会話出来るレシーバーのようなものをモンターグに渡す。それをつけてベイティーに会いに行けという。

一旦、 家に帰ると妻がパーティーをしている。モンターグは本を持ってきて、客の前で詩を読む、反社会的な行動のため参加していた客は泣き出す。モンターグは罵倒して追い返す。

ベイティーに会いに仕事場に行く。話していると、出動のベルが鳴る。緊急に出勤したどり着いたのは、モンターグの家の前だった。

 

第3部

家の前に立つと 妻は 飛び出してきてタクシーに乗りそのまま去って行ってしまう。

モンターグは自分で本や家具を焼き尽くす、するとベイティーがモンターグを逮捕すると告げる ベイティに顔を殴られると 耳に入れていたレシーバーが外れベイティーに取り上げられ通信していた事がばれる。

モンターグはベイティー火炎放射器を向け「僕らは 一度だって正しい理由で物を燃やした事はなかった…」と言い ベイティーを焼き殺す。他の二人のファイアマンも殴りつけて倒す。機械猟犬が襲ってくるが火炎放射器で倒すも 足を刺され片足が麻痺してしまう。

足を引きずりながら本を抱えその場を去る。行く当てもないので老人の家に向かう 途中ファイアマンの家に本を一冊置きそれを通報する。

老人の家に行きこれで逃げてくれと金を渡す。川を目指し線路をつたっていくと渡り労働者のキャンプにハーバードの学位を取った人達や優秀な人たちが都市部ではお尋ね者になっており、隠れて集団で生活しているからそこを目指せと教えてもらう

機械猟犬が多数放たれ 住民全員に外を監視するように警察から指令が出るが 間一髪逃げ延びる

火を見つけ近づくと五人の老人がいた テレビで状況を知っており 歓迎される

警察はモンターグを見つけられず代わりの標的を殺し事件は解決したと住民に告げる。

モンターグは本を持っているか聞かれると 頭の中に覚えているというと 喜ばれる。一度読んだものをいつでも思い出せる技術が完成しているので 知識をキープできるという。なので覚えた本は自分たちで焼き捨てている。

戦争が終わったら知識が必要とするものに本の情報を伝えていくしかし知識をひけらかしてはならない自分達は重要人物ではなく 本のホコリよけのカバーに過ぎない、いつの日かまた本が書かれる日が来たら 自分達の知っている内容をタイプして 本にする。とキャンプのリーダーはいう。

色んな話をしていると 戦争はものの三秒で終わった、都市は息絶えた。

これから何人もの孤独な人に会った時 何をしているか尋ねられたら 自分達は記憶をしているのだとこたえればいいと教えられる。それが勝利に結びつくと。

モンターグは自分の話す時が来たら何を話そうかいろいろ詩を思い出し考える 一編の詩を思い出し街に着いた時の為に大事にとっておこうと考える。     

終わり

感想は次

 

 

 

 

【蜘蛛女のキス】 マヌエル プイグ 感想

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【蜘蛛女のキス】   マヌエルプイグ   感想

100/90

 

1976年 アルゼンチン マヌエル プイグの作品

 

◉舞台は、ブエノスアイレスの刑務所の獄房の一室。

未成年に対する性犯罪で投獄されているゲイのモリーナと、社会改革を目指す若き活動家のヴァレンティンが徐々に心を通わせていく物語。

 
◉ストーリー
刑務所の監房で2人の人物が会話をしている
この時点では性別名前もわからない 1人は女性言葉で1人は男性言葉 黒豹女の映画の話を女性言葉の方が語って聞かせている。
映画の話に、男言葉が茶々を入れるので女言葉は話を途中でやめる。
女言葉はモリーナ 男言葉はバレンティンと明かされる。
モリーナはいつだってヒロインに感情移入するらしい。
モリーナは37歳 ホモセクシュアルで子供2人にいたずらして捕まった
バレンティンは26歳 革命家で政治犯
バレンティンブルジョアの女マルタが好きだった。黒豹女の話は報われない話で終わる。
次の映画の話が始まる ナチスの将校とフランス人女の話
バレンティンにナチ映画とバカにされ途中でやめる。
モリーナには妻子持ちのウェイターの彼氏がいたが面会には来たことはない。
映画の続きを語るがバレンティンは乗り気ではない。
食事が来るがモリーナは腹痛で食べれない、紛らわせるために映画の続きを話す。
ヒロインは最後撃たれて死ぬ。
モリーナはバレンティンがいちいちうるさいので自分1人で映画を思い出し想像する。
盲人と青年と醜いメイドの話。
今度はバレンティンが腹痛で眠れず 映画のはなしをしてもらうが途中で弁を漏らしてしまいモリーナが自分の毛布を使って丁寧に処置してくれる。
途中青年と母親、農場主、パリの女、娘の話が挟まれる(バレンティンの自分の過去の回想?)バレンティンは自分の過去の話を打ち明けようとするがモリーナは知りたくないと拒む。
バレンティンの腹痛は収まらない、仲間から来た手紙をモリーナに見せる。過去のことを語り涙する、また漏らすがモリーナが処置してくれる 上流階級のマルタという女が好きだった。
青年がゲリラに入る話(バレンティンの回想?)
モリーナは刑務所長に呼ばれている
政治犯バレンティンの尻尾をつかもうと食べ物の中に腹を壊すように何かを混ぜて与えていた。それによって何かを喋りだした場合、モリーナはそれを伝える役目を担っていた。
その見返りに恩赦が受けれることになっている。モリーナはバレンティンが何も喋らないから伝えることはないと所長に伝える。母との面会ということにしているので 大量の差し入れを持って監房に帰る。
バレンティンはまだ調子が悪いので気を紛らわすために映画の話を頼む ゾンビの話。
バレンティンは精神的にも弱っていき、モリーナに頼み、マルタという好きだった女に手紙を書いてもらう。
かいた後それを破り捨てる。
バレンティンは少し回復する 映画の続きを頼む。
映画の話は途中で終わりつぎの日へ
バレンティンは具合が良くなる、 するとモリーナに自分の行動をとやかく言われると腹が立ち怒りをぶつけてしまう。
すぐに謝るがモリーナは返事をしない。
モリーナは刑務所長と面談、 政治犯の件について、所長は大統領筋から圧力をかけられているらしい。
モリーナは自分が他の監房に移されることで何かをしゃべるのではないかと提案する。
戻ってバレンティンに監房を移ることを話すと、頭が混乱したから横になるという。
ゾンビの話のラストはハッピーエンドで終わる。モリーナは急に悲しくなり喉が痛いというとバレンティンがさすってくれる すると2人はそのままセックスをする。
翌日 バレンティンは気分が良さそう
モリーナはバレンティンの笑顔を初めて見た。
映画の話 新聞記者と元女優と富豪の夫の話
モリーナは途中悲しくなり黙ってしまう
 
所長は電話をしていて もう待てないから
モリーナを出所させたうえでアジトを密告したと新聞に載せ、組織を誘い出す作戦を立てる
モリーナは翌日の出所が言い渡される。
 
バレンティンに出所できることを告げると
仲間に伝言を頼みたいと提案されるが断るモリー
映画の続きを話す、 最後の夜2人はセックスするモリーナは前回してくれなかったキスをしてほしいという。バレンティンは搾取される人生を繰り返すなと告げる、そしてモリーナは伝言を仲間に伝えることを決断する。
 
出所から二週間の尾行と盗聴の記録が語られる。組織がモリーナと接触する可能性をつかみ モリーナの密告を新聞に載せる作戦は中止になる。
25日目 何者も接触のない場合はモリーナを検挙する命令が出ていた。
誰も現れないので警察が検挙すると、走行中の車から発砲がありモリーナは死亡
過激派はモリーナの自白を防ぐため行動を起こし射殺した。
警察の調書にはモリーナは過激派とともに逃げるか、抹殺されるか覚悟を決めていたとみられると書かれている。
 
バレンティンは食事抜きと激しい拷問で
激しく衰弱している。医務室でモルヒネを打たれる 。幻覚の中で 愛するマルタが現れる
マルタと話す 、モリーナには満足して死んだのであってほしいと思っている。 マルタは自分から殺されたと、決して正義のためではないという。
蜘蛛女の話を語るバレンティン 蜘蛛女は自分の蜘蛛の巣に絡まり動けない、 微笑んでいるのに涙(ダイヤの涙)している。蜘蛛女は山のような食べ物をあたえてくれた、
それを食べた後急激な眠気に誘われた
マルタの事がどれくらい好きか語る
マルタはこの夢は短いけれどハッピーエンドの夢だという。
終わり

 

 

あとがき含め461ページ 地の文が一切なくて

会話がほとんどなので すらっと読める

一週間かからずに読めた。

 

プイグは小説家の前は、ローマに留学し映画の製作に関わっていたらしい、だからなのかこの小説自体が映画や舞台の脚本を読んでいるよう。

 

映画の話の語り方がとても面白い

特に気に入ったのは、新聞記者の青年と元女優と富豪の夫の話のラストで、 元女優を心から愛していた青年が病気で死んでしまう。

それを悲しんだ元女優は青年の故郷に行くと

そこでは、青年が作った元女優に対する愛の歌が漁師に歌い継がれていてみんなが歌っていた

 

そして沈みかけたタ日を見つめながら、独りで歩いて行くんだわ、すると聞えてくるの、

 

〈…ぼくは幸せだ、そして君も 君はぼくを愛してる ぼくの愛はそれ以上 。君を深く愛するぼくは、過去のことは忘れてしまった そして今日、ぼくは幸せを味わっている、なぜなら君が …ぼくのために …泣くのを…見たから〉

もう暗くなりかけていたんで、彼女の姿はシルエットにしか見えないの、それがはるか彼方を、当てどなく、歩き続けるのよ、彷徨える魂のようにね。そのとき急に、彼女の顔がアップになったわ、目には涙が溢れているの、でも口許には微笑みが浮んでるのよ。これでこの話はおしまい」

 

本当にある映画の話なのかわからないが

終わらせ方が秀逸。

 

モリーナは釈放の前にバレンティンと話した会話以降、本人の語りは一切ないのでモリーナの心象というのは謎になっている。

彼にとって無念の死だったのか、 決意していたのか、それは彼にしかわからない。

 

ラストの蜘蛛女のくだりはモリーナの事を語っている。

 

モリーナの死後、バレンティンモルヒネを打ってからのマルタとの幻覚での会話は、バレンティンの思いを語っているがこのシチュエーションがないと地の文がないだけに、心象を語ることをができないところだが、うまく設定しているなと思った。

 

映画も見たが 原作の面白さにはかなわなかった。

 

 

全体にとても綺麗にまとまっていて、いわゆるラテンアメリカ文学の他の作者とは違った面白さがあった。

 

個人的には ラテンアメリカ文学の土の匂いを感じるような 土着的な空気感にあてらてしまったので多少ライトに感じた部分もある。

 

◉序盤の印象深い会話

序盤では 普通の会話のやり取りに思えるが、 悲しい結末を迎えるモリーナを知った後に読み返すと、 とても印象深く モリーナの生き方をシンプルに表す素晴らしい会話だと思った。

「あんたは誰のつもりなんだい? イレーナそれとも女建築家?」

 

「イレーナよ、何考えてんのよ。ヒロインなのよ、バカみたい。あたしはいつだってヒロインのつもりよ。」 

 

最初の黒豹女は、禁断のキスをすることで悲劇の結末を迎えてしまった。

モリーナも出所の前 バレンティンにキスを頼んだ、 何よりもヒロインに憧れていたモリーナは その時 自分に悲劇の結末が訪れるかもしれないことを決断していたのかもしれない。

 

 
 
 
 
 
 
 
 

【都会と犬ども】マリオ・バルガス・リョサ 感想その1

【都会と犬ども】 マリオ・バルガス・リョサ  感想その1

 

◉あらすじ

厳格な規律の裏では腕力と狡猾がものを言う、弱肉強食の寄宿生活。首都リマの士官学校を舞台に、ペルー各地から入学してきた白人、黒人、混血児、都会っ子、山育ち、人種も階層もさまざまな一群の少年たち=犬っころどもの抵抗と挫折を重層的に描き、残酷で偽善的な現代社会の堕落と腐敗を圧倒的な筆力で告発する。’63年発表。

 

◉ストーリー

★第一部

ジャガー、アルベルトらが、新入生の時(3年生が新入生になる)四年生に激しく暴行(洗礼)を受ける。それを受けて仕返しのため、組織と呼ぶチームを結成する。 しかし、夜な夜な集まって、悪だくみをしているのを中尉に見つかり、組織は解散させられる。映画館での上級生との乱闘など、学校での出来事なども問題になる。

 

〈僕〉は学校に入る前、近所に住むテレサ

が好きでいつも家に行って一緒に勉強していた。

リカルドアラナ(奴隷)は、厳しい父親に暴力を振るわれていた。

テレサは近所に住むアラナに映画に誘われたと叔母に話す。

アラナは外出できないので、会えない事を伝えるために唯一の友達アルベルトに、テレサにあって伝えてもらうが、アルベルトは自分がテレサと映画に行ってしまい、次もまた会おうと告げる。

学校で試験が盗まれたのがバレる。 その時、歩哨(見張り)をしていたのは、奴隷とアルベルト、やったのはカーバ(ジャガー達、組織の賭けに負けてやる事に)

〈僕は〉テレサに会いたくて学校までつけて行った事がある。

奴隷は外出禁止をくらっていたので、テレサに会いたくても会えず。

奴隷は外出したいために、カーバが試験を盗んだ事を中尉に密告する。

奴隷は密告により外出できる事になる。

カーバが処分された事でジャガー達に、クラスの中に密告者がいる事がバレる。

アルベルトは外出してテレサに会うが奴隷は来ていないという。そしてテレサに好きだと伝える。

ガンボア中尉というどの同僚達よりも真面目な中尉がいる。

銃を使った野外演習の最中、頭から血を流し倒れている生徒を発見 奴隷だった。

★第2部

ボアがやせっぽちという犬を可愛がっていた話。

アルベルトは治療中の奴隷に会いに行くが、会わせてもらえない。

〈僕〉はテレサにケーキを買ってあげた。

カーバは放校処分になった。

アルベルトは学校に来ていた奴隷の父と会う。

外出できた日は、奴隷は父親にせっかく久しぶりに出てきたのだから家の中にいろと言われた事がわかる。(本当はテレサのところに行きたかった)

大佐をはじめ学校側は、奴隷の葬式の準備を始める。 診察結果で後ろから銃弾を受けているという結果も出ているが、“表向き”自殺として公表する事にする。

〈僕〉は世話になっている イゲーラスに泥棒に誘われる。テレサに会うための金がないので 手伝う事にする。

奴隷の死後、アルベルトは別人のようになってしまった。誰とも口をきかずみんなから離れている。

アルベルトは偶然テレサに会うが、しばらく会えないが手紙はくれと行って別れる。

〈僕〉は泥棒に参加し、金が手に入り、テレサに漫画をプレゼントする。

アルベルトはガンボア中尉に電話し、奴隷を殺した犯人を知っていると告げ、中尉の家に行く。

ジャガーはカーバの放校処分の後、誰彼なく突っかかるようになった。とにかく密告者を許せず見つけたがっていた。

アルベルトは全てを告げる。アラナがいじめられていた事、クラスの者が、酒タバコ、博打をしている事、ジャガーが、密告者がアラナという事を知り、腹を立て殺した事。

ジャガーはガンボア中尉に呼び出される。

〈僕〉はイゲーラスと何件も泥棒にはいるようになった。テレサともうまくいっていた。

アルベルトの告発を、大尉に掛け合うが取り合ってくれない。しかしガンボア中尉が報告書を作り自分が直接少佐に掛け合うという。

大尉はガンボア少尉に、我々二人とも来年の昇進があるからこの事件を報告するのはやめようというが、正義感の強いガンボアはそれはできないという。

アルベルトの密告により、クラス全員ロッカーを検査される。生徒達はジャガーが密告したせいだと言い出す。

ガンボアはジャガーを呼び出して話す。 ジャガーは答案を盗んだりはみんな共犯だと言う。見たやつも悪いという。 奴隷を殺してはいないといった。

〈僕〉は、海でテレサと男が遊んでいるのを見つける。

その男をボコボコにし、テレサに暴言を吐き警察に連れて行かれる。出所すると家には帰らずイゲーラスの所にすませてもらう。

アルベルトは大佐と面談。 証拠がないのでなにもできないと言われ、逆に自分がクラスメイトに売っていたエロ小説の事について問い詰められなにも言えなくなる。

面談が終わり独房に戻るとジャガーと同じ部屋になる。

〈僕〉はイゲーラスと共に昔のボスに雇われ、泥棒にはいるが、はめられてイゲーラスは捕まる。〈僕〉は逃げて、自分の家に2年ぶりに帰るが、母親は死んでいた、テレサも引っ越していなかった。

アルベルトとジャガーは言い合いになり、自分が密告者だと告げると、ジャガーにボコボコにされる。

〈僕〉はおじさんの家で働かせてもらい、士官学校の入学費まで出してもらう。

アルベルトは、奴隷が密告してカーバが捕まった事を言ったら、ジャガーは知らなかった。

アルベルトはジャガーが奴隷を殺した事を、疑って悪かったと謝る。

兵舎に戻ると、ジャガーは密告者だとクラスメイトに責められ乱闘になる。ジャガーは、アルベルトが密告者だとは、クラスメイトに言わない。

アルベルトはジャガーに、なぜアルベルトが密告者だと言わないかと尋ねる。  

「自分は奴らにどう思われようが気にしちゃいない、お前も消え失せろ」と言われるが 友達でいてくれとアルベルトはいうが、ジャガーは断る。

◉エピローグ

ガンボアは寒冷地に左遷になった。

ジャガーは奴隷を殺した事を手紙にしてガンボアに渡した。2人は学校の外で話す。ガンボアは蒸し返す事はせず、アラナの死を無駄にしないように頑張れ、と告げる。ジャガーは密告者の奴隷(アラナ)からクラスの皆を守ってやったつもりが全員から罵倒された事に腹を立てていた。

アルベルトは奴隷を守ろうとして行動していたので許した。

アルベルトは昔の仲間と楽しくつるみ、新しい彼女も出来た。アメリカに行ってエンジニアになる予定がある、奴隷の事も少しずつ忘れられるようになった。

ジャガーは、捕まっているイゲーラスに面会に来て色々と話す。テレサと再会して結婚した。

今は堅気で幸せに暮らしている。 

 

この書き方にはトリックがあり、〈僕〉という人物でイゲーラスと関わり、テレサと恋愛をしている登場人物は最後まで明かされないがジャガーの過去の話である。(テレサの近所という事で奴隷の過去と勘違いさせられる。)

 

終わり

 

感想は次に

 

 

 

 

 

 

 

【都会と犬ども】 マリオ・バルガス・リョサ 感想その2

【都会と犬ども】 マリオ・バルガス・リョサ

感想 その2

 

第一部は、士官学校での生活がどんな感じかと、そこでの人間関係が主に描かれる。

少年達の過剰なふざけ具合に少し疲れるが、第一部の最後に、奴隷の死という大きな出来事が起こる。これにより第2部からの話が大きく動き、今までバカ騒ぎしていた少年達の心に影を落とし、それぞれに思いを持ち、動きを見せる。ここからは読むのが止まらなくなり、ラストまでいっきに読み進んだ。

 

ジャガーの過去の話は、大分前から出ているのだが、〈僕〉という語り方だけで、名前が出てこない。それと、テレサの近所で、テレサの事がずっと好きだという事で、リカルドアラナ(奴隷)の話なのかと思って、読み進めていると、実はその過去の話はジャガーの過去で、ラストでジャガーテレサと再会し結婚したというところでジャガーの事だとわかる。

 

面白かったのは、やはり2部からの人物描写で、アルベルトは、奴隷の無念の死を晴らすため密告を決意し、ジャガーは密告者という裏切り者からクラスメイトを守るため奴隷を殺し、ガンボア中尉は軍隊の規律を忠実に守りぬくため昇進の道を蹴ってまで、事件の真相を解明しようとする。それぞれに、自分の思いに主張があり、それに向かって強くまっすぐに行動する。しかし、それぞれに自分の望むかたちにはならなかったのだが、物語はそこで終わりではなく、自分の行く末に悲観する事なくそれぞれの道を歩んでいく。

 

 

 

◉あとがきから 

リョサは、作家が小説を書くのは胸の奥に棲みついた悪魔達を追い払うためだと繰り返しのべていた。

実在する、レオンシオプラド士官学校を舞台にしてこの内容のため、当時、学校はこの小説を校庭に山と積み、燃やしたというが、2010年の追記によると今では士官学校のホームページには当時の制服姿のリョサの写真と「本校の元士官候補生、ノーベル文学賞受賞」という見出しが出ているという。

 

 

【緑の家】感想2 マリオ・バルガス・リョサ

◉面白かった所

P178

★ラリータが、フシーアが出て行ったきり戻って来ないので、心配で孤独を感じている所に、インディオのフムが戻って来る場面。

最後はフムが自分に好意を持っているのを知っていて関係を結んだかのような描写で終わる。

話している人物が説明もなくどんどん変わり一気に最後まで進む、勢いがありトリッピーな文章。 ラリータの心の不安定さを感じさせ 全体の書き方と違うので インパクトがある。

 

★アンセルモがアントニア(16)に近づいていく場面

 

始まりが 「事実は本来動かし難いものなのに、われわれは現実と自分の願望とを混同してしまうのだ。」から始まる要するに、自分の願望が第三者の様に自分に語りかけるような文章になっていてインパクトがある。

 

 

◉好きな部分

“これでいいのかどうか、最後にもう一度よく考えてみるのだ。人生とはこういうものなのかどうか、もし彼女がいなかったら、あるいは彼女とお前の二人きりだったらどうなっていたか、すべては夢だったのかどうか、現実に起こることというのはいつも夢とは少しばかり違うのかどうか、よく考えてみるがいい。そして、 これがほんとうに最後だが、お前はもう何もかも諦きらめてしまったのかどうか、そしてもしそうなら、それは、彼女が死んでしまったからなのか、それとも自分ももう齢なので、次に死ぬのは自分だと悟っているからなのかどうか、そこのところをよく考えてみるのだ。” 

 

 

◉あとがきから

緑の家はリョサが子供の頃実際にあった。

 

三人の楽団員と盲目のハープ弾きもいた。

 

ラクサのフム 神父もいた。

 

フシーアにもモデルがいる(実際に存在したかはわからないが)。

 

 

 

 

◉感想

前情報として読むのが難しいかと構えてしまったが、むしろ読みやすかった。 登場人物ごとに話が区切られる事とその区切りが割と短く続いていくので、ここまで読もうという目やすがつきやすく、むしろどんどん読み進めてしまう。840ページ(あとがき含め)10日くらいで気がついたら読み終わっていた。

 

面白い所は、文章が説明もなく改行もなく過去の人物が喋ったりするので、アレ?と思うのだけれど、慣れてくるとそれがすんなり読めるようになり、どこか中毒性がある。

 

女性達は(修道女 ラリータ ボニファシア etc)たくましく。

男達(フシーア リトゥーマ etc)は情けない。

 

◉文章はとてもシンプル。

 

過去と現在、たくさんの登場人物達が交錯していく様はまさに密林のよう。そしてその間を幾重にも走る川を抜けると、何にも代えがたい読後感と気持ちの良い余韻を残す。

とても面白かった。

 

◉最後に リョサの言葉

 

「人間の内面にこだわり、それを描き出そうとするやり方はあまり好きではない。自分はむしろ、行為、行動といった外に現われてくるものに興味があり、それを描くことで人物の内面を浮かび上がらせたいと考えている」 

 

 

まさにこの言葉通りで、多数の個性的な人物たちが各々に思いのままに行動する事によって物語がぐいぐいと進んでいき、結果登場人物の内面が徐々に浮かび上がり物語全体も深みを増していく。

 

リョサのやりたい事は、この作品で完璧に表現されていると思った。

 

 

 

 

 

 

【緑の家】感想1 マリオ・バルガス・リョサ

 

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◉あらすじ

《緑の家》を建てる盲目のハープ弾き、スラム街の不良たち、インディオを手下に従えて他部族の略奪を繰り返す日本人

ペルー沿岸部の砂の町とアマゾン奥地の密林を舞台に、様々な人間たちの姿と現実を浮かび上がらせる バルガス-リョサの代表作。

 

あとがきに訳者が書いてくれたちょうど良い

まとめがあるのでそれを

 

“作品の舞台は、 ペルー・アマゾンにある町イキートス、アマゾン源流地域にある町サンタ・マリーア・デ・ニエバ、 およびその周辺、 それにアンデス山脈の反対側にある砂漠の町ピウラになっていて、 そこで五つのストーリーが相互に関連し、絡み合いながら展開してゆくという設定になっている。 以下その五つのストーリ.ーを大まかに説明しておく”

 

◉1

 作品の冒頭に出てくる治安警備隊の隊員たちとシスターは、インディオの住む集落に向かっている。彼らはそこで原始的な生活を営んでいるインディオの少女を連れ去り、サンタ・マリーア・デ・ニエバの町にある修道院に住まわせて、キリスト教教育を授けている。ただ、そうして教育された少女たちも成長して修道院を出てゆく時がくると、後は裕福な家庭のお手伝いになるか、場合によっては売春婦に身を落とすしかなかった。拉致された少女の一人ボニファシアは、仲間の少女たちをそうした境遇から救い出そうとして修道院から逃すが、それが発覚して僧院を追われ、謎の多い女性ラリータの家に引き取られる。やがて彼女は治安警備隊の軍曹リトゥーマと知り合い、結ばれる。その後、リトゥーマは彼女を生まれ故郷のピウラの町にあるマンガチェリーア地区に連れ帰るが、ある事件(◉5に後述)を起こしたために牢に入れられ、その間にボニファシアは売春宿《緑の家》で働くようになる。

 

◉2

放浪の歌手アンセルモはピウラの町に流れ着き、しばらく暮らしたあと町外れに売春宿《緑の家》を建てる。一方、捨て子だった少女アントニア(トニータ)は農場主のキローガ夫妻に引き取られて幸せに暮らしていたが、夫妻が盜賊に襲われた時に彼女も瀕死の重傷を負い、目も見えなければロもきけなくなった。 洗濯女に連れられて毎日外に散歩に来るその少女に恋をしてしまい《緑の家》に勝手に連れて来る。アンセルモはやがて彼女を愛するようになり、 二人の間に子供ができるが、アントニアは出産直後に亡くなる。その事件を機に、 かねてから《緑の家》を道徳的頽廃の元凶とみなしていたガルシーア神父が、町の人たちをそそのかしてあの店を焼き討ちにする。アンセルモはその後楽士として生計を立て 《緑の家》の話はしなくなる。のちにアントニアとの間に生まれた子供ラ・チュンガが成長して、《緑の家》を再建し、そこで楽士として働くようになる。ボニファシアがラ・セルバティカの名で働くようになったのは再建後の《緑の家》である。

◉3

インディオの部族の長フムは、仲介人を通さず直接買手と交渉してゴムを売ろうとしてつかまり、拷問される。 一方、ブラジルで事件を起こして牢に入れられるが、脱獄してアマゾンの奥地に身を潜めた日本人フシーアは、 インディオを使って密輸や盜賊行為を行なっている。フムはそのフシーアのもとに身を寄せる。フシーアはやがて重い感染症にかかり、友人アキリーノのボートで奥地にある療養所に向かうが、小説の中ではこの二人の会話を通して過去の出来事が回想されていく。

 ◉4

 イキートスの町に住む政治家のフリオ・レアテギは地方ボスとして絶大な権力を振るっているが、陰では人を使ってゴムの採取を行なっているインディオを搾取し、密輸にも手を出して大きな利益を得ていた。 フムが傷めつけられた背後にはレアテギがいたし、彼はまたフシーアをつけ狙い、いつかつかまえてやろうと目を光らせていた。

 

◉5

ピウラの町のマンガチェリーア地区に住む若くて向こう見すなリトゥーマとその仲間たちの物語。 リトゥーマはその後治安警備隊の軍曹としてアマゾンの奥地に赴任し、そこでボニファシアと知り合い、 彼女を連れてピウラに戻ってくる。 その町でも治安警備隊員として働いていたが、 ある事件《農場主セミナリオと喧嘩になりロシアンルーレットをやり自殺に追い込んだ》がもとで逮捕され、 牢に入れられる。 ボニファシアはしかたなく《緑の家》で働くようになる。 この物語と平行して、 アントニアを失い今はハープ弾きとして働いているドン・アンセルモやガルシーア神父をはじめさまざまな人物たちにまつわる話が語られている。

最後はドン・アンセルモが死に セバーリョス医師、ガルシーア神父、リトゥーマたちとで アンセルモの死についていろいろと語り合う 最後は神父がミサとお通夜を引き受ける約束をし一旦家に帰るところで終わる。

 

◉印象に残った人物達

 

★フシーア 

フシーアはもともとフリオ・レアテギ(行政官)と密輸業をしていたが それがばれた時に フシーアが全ての罪を被り逃亡する事になる。その時 街で出会ったラリータという女を連れて行く。ラリータとフシーアは実際夫婦になるが度重なる悪事と病気で行く先のなくなったフシーアは老人アキリーノが探してきてくれた 身を隠せる療養地に向かう

療養地に住んで1年後アキリーノが訪ね

ラリータには新しい家族がいて幸せだと聞かされると おとなしくなってしまう。

 

★ラリータ

最初はフシーアに連れられて 密林の生活が始まる。フシーアがほとんど帰ってこなく夜の生活もなくなると 愛を感じれなくなり 船頭のアドリアンニエベスと島を逃げ出し結婚する。その時は自分の息子アキリーノとインディオから引き取ったボニファシアを育てていた。

しばらくすると主人のニエベスが警察に捕まり一人になる その後は治安警備隊員の〈デブ 〉と結婚したくさんの子供がいて幸せに暮らしている。最後は息子アキリーノの結婚式の為ラリータの故郷イキートスに行く。そこでニエベスが釈放されたことを聞く、かなり長い間捕まっていた事に驚く。

 

★アンセルモ

突然ピウラの街に現れ 村の人たちと親交を深める しばらくすると 街のはずれの砂漠の土地を買い取る 突然工事が始まると完成したのは緑に塗った建物だった。

村人も最初はわからなかったが 売春宿で経営者はアンセルモだった。街の女性やガルシーア神父には猛烈に反対される。しかしそれに反して《緑の家》は繁盛し 街も発展していった。アンセルモはハープの名手で楽団を組んでいた。しばらくするとアンセルモは少女アントニアに恋をしてしまい 家に連れ帰ってしまう そして彼女は妊娠し緑の家で出産させ様としたが失敗しセバーリョス医師を呼ぶが間に合わず 子供は取り上げたが アントニアは死んでしまう。 それを知ったもともと《緑の家》に反対していた人々とガルシーア神父に批判される。そして《緑の家》は誰がやったかはわからないが 燃えてなくなってしまう。

その後は浮浪者のように町をうろつき世捨て人のようになる。少しずつ回復し酒場などに雇われ 楽団として仕事をする そして火事でも助かった娘ラ・チュンガ が成長し 《緑の家》をまた建てる そこで楽団として働くようになる。アンセルモは昔から町を知っている老人としてみんなに好かれていた。最後は老衰で《緑の家》で亡くなる。

 

 

人物の描写がしっかりしているので 全員がとても印象に残るし よりストーリーに入り込める。

 

ざっとストーリーとキャラクターの覚え書き。

長いので感想は次に        つづく