【華氏451度】 レイ ブラッドベリ 新訳 感想 2

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挿絵が良い。

 

面白かったところ。

 

エピグラフ

 

‘ もし連中がルールド・ペーパーをよこしたら、逆向きに書きなさい’

                                ファン・ラモス・ヒメネス 

 

〔ルールドペーパーとは、ふつう罫紙のことだが、ルール(規則)つきの紙とも解せる。その場合この文は「もし連中がルールを押しつけてきたら、反逆しなさい」の意味になる。

 

★始まりの文章

 

火を燃やすのは愉しかった。

 

この一行からの始まりに ぐっと引き込まれる。

 

あとがきから

 

今ではアメリカの国民文学に準じる地位まで押し上げられている。

 

トリュフォー火星年代記を映画化しようとブラッドベリに連絡すると 答えはノー 代わりに 華氏451を推薦された 理由は ブラッドベリ火星年代記の脚本を自分で書いていたため

 

 

個人的感想。

先にトリュフォーの映画を見た。 とても気に入り 原作を読んだ。

 

  全てが急速に発展し何もかもが便利になっていく世の中で、失いつつある大切なものを 大事にしなくてはならない、という事がとてもシンプルに書かれていると思う。

 

まさに自分達の生きる時代のテーマでもあるような話であり、普遍的なものに感じる。

 

ジョーオーウェル1984年も似たような題材であるが、個人的には華氏451にとても惹かれるものがある。決められた日常から抜け出そうと懸命にもがくモンターグに深く共感し物語に強く引き込まれる。

 

本が焼かれる時代に森に隠れて暮らし、本を丸ごと頭に入れて未来に残そうなんて、 本好きにはとても魅力的なテーマである。

 

自分達の生きる現代も紙の本、 レコード、 カセットテープ、ビデオテープなど 古いアナログなツールはことごとくデジタル化されていき、 自分のように古い映画、本 、音楽 が好きな人間には、情報を集めにくくなるが、世界にはたくさんの  “渡り労働者のキャンプ” があちこちにあり、これからなくなっていくような愛すべき物たちを後世に残していこうとしている人々がたくさんいると思うと。

とても勇気づけられる 自分もそういう側の人間でいたいと強く思う。