マンハッタン ウディアレン 映画感想

マンハッタン  ウディアレン  100点/100点

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 ◉ウディアレンは やっぱり 良い
 
トーリーは、40過ぎの放送作家の中年男が、17才女の子と付き合っているが、現実的ではないから俺には本気になっちゃだめだよとか言いつつ(やることはヤッてる)元カノにたまたま会って 復縁と思いきや 振られ  17才のところにまた戻る
大体はこんな感じ。
 
何が良かったって 4分間のオープニングが
最高にかっこ良い
ガーシュウィンのラプソディー イン ブルーをバックにして モノクロで映し出すマンハッタンの映像 さらに4分間、作家になりたくて本も書いている主人公(アレン)がマンハッタンについての短文をレコーダーに吹き込んでいて 細かいニュアンスに納得できず 何回もやり直している音声が、映像と音楽に合わせて流れる。 
本当に何回見ても感動するしウディアレンのセンスに平伏するしかない。
 
細かいストーリーに関しては 正直アニーホールの方が深みがあるけど、 映像表現の部分では完全こっちが好み。 とにかく見終わって時間たっても 頭に残ってるシーンが結構多い 
 
◉雨の中駆け込む自然史博物館での 
     二人の影を写す会話シーン。      
                   
 ◉リバービューテラスのベンチ
 
◉あと会話の時に横向きに、向かい合って話してるけど一人は壁に見切れて見えないとか、
タイプライターを打つ時に手元を写さないで
少し半身の背中しか写ってない等(記憶で書いてるから間違ってるかも)
とにかく見ながら感心したことが頭に残っている。
 
そこでいろいろ調べると出てくるのは、撮影監督ゴードンウィリス。 ゴッドファーザーやアレンの黄金期主要作をこの人がとっていた。
そんな時、たまたまとある映画評を見ていたら
映画は撮影監督でほぼ決まると書いていたのを見かけた   なるほど
ゴードンウィリスの凄さを思い知らされた
 
ウディアレンのいい意味で コミカルでシニカルな
都会の大人の恋愛話に ゴードンウィリスの力のある白黒のニューヨークマンハッタンの映像が うまく溶けあって  とても良い
何回見ても映像のかっこよさにしびれる
 
話としては 優柔不断なおっさん(アレン)が
あっちへこっちへフラフラ いろんな不満を言い放ち 最期もまあ劇的なハッピーエンドやバッドエンドってわけじゃないんだけど それがまたいい味わい。
 
 
 
恋愛映画は苦手だけどウディアレンの作品を面白く観れるのは、人生や人間関係についてそんな劇的なことってないよ。みたいなことを さらっと自虐的なユーモアに乗せて 見せてくれるから 見た後に何か深みを感じれるんだと思う、あと会話劇のうまさがとにかく秀逸。
 
 
◉まとめ
こんなメガネでハゲの小さいおっさんのどこがいいのかと思っていたけど そのセンスの良さを見せつけられた作品 スコセッシなどが撮る70年代ニューヨークももちろんいいけど ウディアレンはまた違うニューヨークを映してくれる、どの監督にもないオリジナルを作ってくれるとても好きな監督になった   つまらないのもあるけど マンハッタンは単純に映像がいいから字幕なしで、 垂れ流しで観てても満足できる 
最後にキネ旬のアレン特集でも締めに使ってた
アレンの名言を忘れないように
書いておこう
 
◉「夢見たことで叶わなかった事は何もない、でもこんなにも人生の落伍者の気分なのは
何故だろう?」 ウディアレン
 
おもしろい おっさんだ 尊敬します。